政治

【Factbox】エジプトで続く反体制派への弾圧

2022年8月3日

強権の度を深めるエジプトのシーシー政権下では、反体制派への弾圧が続いている。政府はテロリストの取り締まりだと強弁するが、違法な拘束、拷問、殺害が横行していると人権団体は警鐘を鳴らす。

[カイロ発(ロイター)]エジプトが近く全土的な政治対話を開始する計画だ。過去最悪とも言われる反体制派への弾圧の手を緩めるのか、政府は試されることになる。

 国軍総司令官から大統領になったアブドルファッターフ・アッ=シーシーは、2013年にムハンマド・ムルシー大統領――近代エジプトで初めて民主的に選ばれた大統領――を大衆の大規模抗議集会の末に放逐して以来、強権の度を深めてきた。シーシー政権は、弾圧の標的は国家の弱体化を目論むテロリストや妨害者だと言う。政府は恣意的で超法規的な殺害や拷問、強制隔離などには関与していないと言うものの、以下に列挙するのは、米国の同盟国であるエジプトで実際に起きた人権侵害の恐れがあるケースだ。

血のカイロ座り込み事件

 2013年にムルシーが大統領の座から追われると、ムルシーの出身母体であるムスリム同胞団――エジプト最古で最大のイスラム運動組織――の支持者が何百人も殺害され、何千人も逮捕された。ムスリム同胞団の幹部たちは人権団体が不公正だと非難する裁判によって死刑を宣告され、その他の多くが地下に潜るか、国外脱出した。

 近年のエジプトで最も血塗られた出来事とされるのは、2013年に治安部隊がムルシー追放に抗議する数千人のデモ隊と衝突し、発砲した事件だ。人権団体によればデモ隊800人以上が殺されたという。人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、襲撃は上層部から指示された組織的なもので、「人道に対する罪」に匹敵するものだった。……

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