政治

イラク「スーダーニー政権」を脅かす「サドル師」の動向

2022年11月9日


<span>イラク「スーダーニー政権」を脅かす「サドル師」の動向</span>

昨年10月の総選挙以降、政治が空転していたイラクで、スーダーニー政権が発足した。議会内の主要勢力を包括する挙国一致内閣だが、参加を拒否した政治・宗教指導者サドル師の一派は、スーダーニー政権を脅かしかねない「リスク」として存在し続けている。

 2021年10月の議会選挙以降、政府の発足が1年以上遅れていたイラクにおいて、22年10月28日にムハンマド・シヤーウ・スーダーニー氏が率いる政権が発足した。

 スーダーニー新首相は親イランのシーア派政治勢力の連合であるシーア派調整フレームワーク(SCF)が推薦した候補であり、スーダーニー政権はSCF主導の内閣となっている。もっとも、政権には多様な政治勢力が参加しており、各勢力に閣僚ポストが配分された挙国一致内閣となっている。

 

「デッドロック」の解消

 2021年10月の選挙で議席を大きく減らしたSCFは、スンナ派第二党のアズム連合、クルド勢力第二党のクルディスタン愛国同盟(PUK)、キリスト教徒のバビロン運動と四者同盟を組み、同選挙で勝利して議会内第一党となったムクタダー・サドル師が率いるサドル潮流が新政府を樹立させることを妨害し続けた。

 イラクでは議会内の最大勢力が推薦する首相候補に大統領が組閣を命じることで政府が形成される。大統領の選出には定数329議席の議会で3分の2以上の議員の賛成が必要になる。そこでSCFは大統領の選出を妨害する「3分の1」勢力を形成することで、サドル派の政府樹立を妨げた。サドル派はSCFとの政治協力を拒否したため、イラクは大統領も首相も任命できないデッドロックに陥った。……

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