政治

「爆買い」される韓国製武器の背後に「国防外交」――韓国防衛産業飛躍への歴史と今後の課題

2022年11月11日

ポーランドが購入を決めた防衛装備品は総額2兆6000億円。韓国防衛産業が世界有数の売上を実現するにあたっては、世界44カ国と結んだ防衛産業協力協定が大きく寄与している。「米国の最新兵器を買っていれば安心」という時代が去ったいま、国防外交は産業振興と友好国との信頼関係構築の二つの側面から意味を持つ。

 K-2戦車980両、K-9自走榴弾砲648門、FA-50軽攻撃機48機。これらはすべて本年7月27日にポーランド政府と韓国の防衛産業企業との間で契約された完成装備品の数々である。総額25兆ウォン(2兆6000億円)にも及ぶビッグセールスであり、今回の成功によって韓国製装備品が名実ともに国際市場において確固たる地位を築き、今後の更なる発展を十分期待させる結果となった。

世界各国の防衛産業に衝撃

 ここで筆者は「爆買い」という言葉に敢えて意味を込めて使いたい。ここで言う「爆買い」とは、単にポーランドが一度の契約で過去最大かつ桁違いな数の注文を行ったことだけを意味している訳ではない。これまでの韓国製装備品海外輸出の歴史を紐解くと、購買国が一回のセールスで単一の装備品を購入するケースが主流であった。それ以外にも、単一の装備品を購入しつつ、付属の装備品も併せて購入することで一度の取引額が大きくなるケースはあった。今年2月に、韓国製装備品でベストセラーとなっているK-9自走榴弾砲をエジプトに輸出する契約では、K-9だけでなくK-10弾薬運搬装甲車と、エジプト向けに特別開発されたK-11砲兵指揮車も含めたK-9系列の装備品が契約に含まれたことで、今年の2月時点での過去最高の取引額2兆ウォン(約1900億円)となったのである。

 ところが、今回のポーランドのケースでは、自走榴弾砲、戦車、そして軽攻撃機という韓国防衛産業が誇る代表的な完成装備品を購入しただけに留まらず、数百のK-4高速自動グレネードランチャーや多連装ミサイル「天舞(チョンム)」300両の追加契約が結ばれた。さらにポーランドは、現在オーストラリアでドイツと熾烈な受注競争をしている歩兵戦闘装甲車「レッドバック」にも大きな関心を示した模様だ。こうした旺盛な購買意欲を見越してか、在韓ポーランド大使館に勤務する駐在武官の元には、韓国防衛産業関係者が更なる売り込みのために殺到していると専らの評判だ。

 ちなみに余談ではあるが、今回のビッグセールスにより、韓国軍にとっては思わぬ副作用が生じている。今回ポーランドによって受注された装備品の数々は、元々韓国陸軍や空軍に納入予定ですでに生産過程にあったが、ポーランドへ優先的に出荷されることが決まった。10月7日には李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官は自軍への供給遅れによる影響は最小限との回答をしている。しかしながら、韓国空軍は使用年数を重ね重大事故が頻発しているF-5・F-4戦闘機の置き換え遅延が深刻な問題になっている。今回売却されるFA−50の能力では代替機にはならないとされつつも、韓国初の国産ジェット戦闘機であるKF-21の導入が遅れており、FA−50は当面の代替機として使用するべきだとの声もあることから、今後少なからず影響が出るものと考えられる。……

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