ドイツのオラフ・ショルツ首相は11月4日、中国を訪問して習近平国家主席・李克強首相と会談した。2年前の新型コロナ・パンデミック勃発以来、G7(主要7カ国)加盟国の首脳が訪中したのは初めてだ。フォルクスワーゲン(VW)、BMW、シーメンスなどドイツ企業の社長12人も同行した。
11時間の訪中で二つの「成果」
中国政府の厳しいコロナ対策のために、首相たちの北京滞在は11時間に限られた。それでもショルツ首相は、二つの「成果」があったと主張する。
一つは、ロシア・ウクライナ戦争をめぐる、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領への牽制球だ。ショルツ首相と習主席は、「我々は核兵器の使用に反対する。核による威嚇は無責任かつ危険だという点で、意見が一致した」と述べた。
ウクライナでは、ロシア軍が劣勢に追い込まれている。プーチン政権は、「ウクライナは『ダーティー・ボム(汚い爆弾)』を準備している」と主張している。ダーティー・ボムとは、通常の爆弾にプルトニウムなどの放射性物質を入れた容器を組み合わせたもの。核分裂反応は起きないものの、爆弾を炸裂させれば、毒性の高い放射性物質が撒き散らされ、地域が汚染される。国際原子力機関(IAEA)はウクライナで査察を行ったが、ロシアの主張を裏付ける証拠は発見できなかった。つまりロシアの主張は偽情報である可能性が強い。だがドイツなどは、「ロシアが偽情報を口実にして、ウクライナでの劣勢を挽回するために戦術核兵器を使用する危険がある」という懸念を強めている。……