- 中国人観光客を待ちわびる台湾海峡の最前線「金門島」
昨年12月の金門島への取材を終えて新年を迎えた後、中華民国(台湾)にとっての北の砦である馬祖列島(中国本土の福建省福州市まで直線距離で約60キロ、北側の黄岐半島までは約16キロ)にも行かなくては、と使命感のようなものが湧きあがり、旧正月前のチケットを手にした。
訪れる前は、どれほど辺鄙な島なのだろうかと心配していた。「馬祖列島にはコンビニもなく、あるのは台湾の国軍兵士や海巡署(日本の海上保安庁にあたる)相手の個人商店くらいだから、食事にも不便しますよ」などと聞いていたからだ。
1月11日の早朝、台北松山空港で、軍事訓練に向かうという迷彩服姿の軍人たちとともに、72人乗りのプロペラ機に乗り込んだ。離陸から約50分、厚い雲の間を抜けた後の最初の光景は、馬祖列島最大の南竿島(10.4平方キロ)の西海岸。海岸線は岩でゴツゴツしている。岩肌に少し緑を載せた斜面に、家々が張り付いている。そこにかろうじてある高台の滑走路に航空機は降り立った。この空港は軍用ではなく民間用であるらしい。
軍人たちは「南竿航空站」のマークの前で記念写真。あまり来ることがないのだろうか。というより、「軍人が観光客のような振舞いをしていてよいのか?」と中華民国の国軍の規律の緩さを感じてしまった。……
