政治

【Analysis】市場が懸念する総選挙後パキスタンの「さらなる経済危機」

2024年2月12日

パキスタンの政治的膠着が改革停滞と海外からの資金調達の遅れに繋がり、同国発行の国際債の売りや経済危機を招くとの不安をアナリストたちは募らせている。

[ロンドン、イスラマバード発/ロイター]2月8日に行われた下院選挙は、小選挙区266議席中264議席の結果が判明した時点では、無所属(ほとんどが、収監されているイムラン・カーン前首相が率いる最大野党パキスタン正義運動=PTI=系の候補者)が予想外に議席を伸ばして最多の101議席を獲得している。ナワズ・シャリフ元首相率いるパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)が政党としては単独で最多の75議席を獲得し、カーンとシャリフがともに勝利を宣言する事態となっている。元首相の息子ビラワル・ブット・ザルダリのパキスタン人民党(PPP)が54議席を獲得した。

 そもそも実施が遅れた今回の選挙は、パキスタンにとって極めて重要なタイミングで行われた。この国は今、経済危機に面している。減り続ける外貨準備は、2カ月後に迫った10億ドルの国債償還でさらに逼迫する。そして、国際通貨基金(IMF)による30億ドルの金融支援プログラムは4月12日に期限を迎える。

「どの政党も単純過半数を握ることができなければ、パキスタンは政治的にも経済的にもさらに不安定な状況に陥る」と語ったのは、財務省元顧問で、持続可能な開発政策研究所のサジド・アミンだ。「最も重要なのは、選挙の信頼性であり政府の正当性だ。政府が信頼されなければ、喫緊の課題である改革を進めることはできない」。

 資金の確保が何よりも優先されなければならない。パキスタンは1000億ドル近い対外債務を抱える一方、2024年の外部資金調達要件を満たしていない。……

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