カルチャー

戦争と「戦う」ウクライナのサッカーファミリーを思う

2024年2月23日

 戦争は人々から「当たり前の日常」を奪ってしまった。たとえば、週末にひいきのサッカーチームを応援する楽しみ。「ウクライナプレミアリーグ(UPL)」は欧州チャンピオンズリーグ出場のシャフタール・ドネツクはじめ国際的な強豪チームも所属するが、チームが本拠地を置く都市も、そこでの選手やサポーターの日常も、戦火に脅かされ続けている。ロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まって2年、そしてJリーグ開幕とUPLのウインターブレイク明けが重なるこの機会に、国際政治にもてあそばれながらも幾度も復活を遂げるウクライナサッカーの姿を防衛研究所の高橋杉雄氏が執筆した。

 ロシアがウクライナに侵攻してから2年が過ぎた。この戦争で、ウクライナは国土の2割近くをロシアに占領されながらも、頑強に戦い続けている。しかし、2023年6月に国土奪還を期して始められたウクライナの反転攻勢は、ロシアの強固な防御陣地を突破できず、大きな成果を挙げられなかった。一方で、ロシアもウクライナに決定的な打撃を与えられていない。2024年2月現在、前線では激しい戦闘が継続しつつも、戦況は膠着し、消耗戦の様相を呈している。

 戦火が日常を浸食し、ウクライナの人々は戦争と日常生活とを両立させながら生き抜いている。戦時下にも日々の生活がある。空襲警報に脅かされながらも、大人は働き、子どもたちは学校に行く。みな日々の買い物をし、食事を作り、夜は寝て、翌日に備える。……

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