外国の画家たちに桃太郎の絵を描いてもらう「Momotaro Project」から派生したのが、インドネシアの伝統的な影絵芝居(ワヤン)で桃太郎を演じる新プロジェクトだった。現地の若者たちの協力を得て、日本インドネシア国交樹立65周年記念事業にも選ばれるなど、準備は順調に思えたが――。
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昨年12月、気温は30度を超えて、真夏のクリスマスイブを迎えたインドネシアのジャワ島。夜の帳も下りて、かがり火がゆらゆらとゆらめく中、弦楽器や銅鑼が置かれる傍に、伝統衣装を纏った人々が目を閉じて座している。彼らの中心には大きなライトと白いスクリーンが鎮座し、その前には大男が胡坐をかいている。
合図とともにガムラン奏者達が演奏を開始し、中央の大男が手元の人形を手にした。そして、その人形を音楽に合わせてゆっくりと動かし始めた。人形は小刻みに揺れ、光の当たった部分は影となってスクリーンに反射したが、その動きに合わせて影は人形から解放されるがごとく、新しい生命を宿して自由に動き始める。これが、インドネシアの伝統芸能である影絵芝居「ワヤン」である。……