経済・ビジネス

【Analysis】巨大テックを狙い撃ち グーグル、アップル「分割」の現実味

2024年3月31日

アップルやアルファベット傘下のグーグルに業界初の分割命令が出される可能性が出てきた。EU(欧州連合)と米国を皮切りに、反トラスト法違反に関する調査は世界各国の監視当局に広がる気配もある。グーグルはEUの告発に反発し、アップルも米国当局の訴訟は事実と法律の両面において不当だと述べている。

[ブリュッセル、ストックホルム発/ロイター]米国ではちょうど40年前にAT&Tが分割されて以来、規制当局の主導で解体の危機に直面した企業はなかった。“マ・ベル(母なるベル)”と称された20世紀最強の独占企業のひとつAT&Tは、1984年に7つの独立した地域通信サービス会社に分割された。このうち、現時点で命脈を保っているのはAT&T、ベライゾン、ルーメンの3社だけだ。

 規制当局はアップルやグーグルといった企業が自社製品を取り巻くきわめて閉鎖的なエコシステムを構築し、顧客がライバル企業のサービスに乗り換えることを困難にすることで巨額の利益を得てきたと主張している。3月21日、米司法省は15の州と共同で2兆7000億ドル企業のアップルを提訴した。同社がiPhoneでスマートフォン市場を独占し、エコシステムで製品を厳格に管理することによってライバル企業のアプリやサービスの開発を妨げ、価格体系を吊り上げているというのがその主張だ。そのうえで同社に対し、競争関係を回復するための改善策としては分割命令も排除しないと警告した。アップル側はこれに対して争う姿勢で、訴訟の決着には長い年月を要する見込みだ。

 こうした米国の動きは、欧州全域で高まる反トラストの潮流と軌を一にしている。匿名を条件にロイターの取材に応じたこの問題の直接的な関係者は、アップル、メタ、アルファベットの3社にはEUが3月上旬に本格運用を始めた「デジタル市場法(DMA)」違反の疑いで調査が入る可能性があり、事態が改善されなければ巨額の罰金請求や分割命令に発展することも想定されると語った。

 EUで反トラスト法責任者を務めるマルグレーテ・ヴェステアー上級副委員長は昨年、グーグルの広告技術(アドテク)事業に反競争的慣行があり、広告販売部門を売却しなければならない可能性があると指摘した。同副委員長によれば、グーグルは自社のオンライン・デジタル広告テクノロジーサービスを優遇し、競合する広告プロバイダー、広告主、オンラインパブリッシャーに不利益を与えていると懸念を語った。副委員長はこの件に関して年内にも最終決定を下す見込みだ。……

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