新型NISA(少額投資非課税制度)の口座数が大きく伸び、その売買高は株式市場に影響を及ぼす存在にまでなりつつある。日経平均株価が34年ぶりに新高値を更新したことなども幸いして、順調な滑り出しと言える。だが、新型NISAが一般の投資家にまで幅広く浸透しているかと言えば、まだまだ道は遠そうだ。やっと一部の個人がNISAに目覚めつつある、といった程度だろう。
新型NISAの加入者は、Z世代(おおよそ20~30代)を中心とした若い世代が多く、50代以上のシニア層には遠い存在と言っていい。ところが、現在の世界経済や金融マーケットを俯瞰すると、これまでのような預貯金だけの資産防衛ではとても家計を維持していけない状況が窺える。
定年退職を機に、それまでの投資運用を辞めて、預貯金だけに資産を集中させようとする人も少なくない。しかし、今後の平均余命を考えると20年から30年の期間があり、退職金だけで現在のインフレに対応できるかどうかが不安になっている人も多いはずだ。
そんな意味もあって、リタイア世代こそNISAを始めなければいけない状況にあると言っていいかもしれない。定年前後のシニア世代にとってNISAの活用がいかに重要であるのか考えてみたい。……