政治

フランス総選挙中間報告(中) 右翼右派の連携を目論む「メディア王」

2024年6月26日

右派躍進が欧州を覆う一方で、各国の国内政治には一様ではない力学が見て取れる。フランスでは、極右からの脱皮を図る「国民連合」(RN)が右派中核として機能しにくい点が注目だ。マクロンの解散総選挙宣言を受けて国民連合に接近した「レコンケート」(国土回復)の狙いは頓挫。さらに、ドゴール支持層を結集した「新共和国連合」(UNR)の直系政党「レピュブリカン」(共和主義者)の党首が、国民連合との連携を独断専行で宣言しスキャンダルに発展した。背後では、政商と呼ぶべき財界の有力者が動いている。「レピュブリカン」は国民連合に寄るか、あるいは中道と交渉するか――それはマクロンの命運も左右する。

  • フランス総選挙中間報告(上) マクロン「解散」の勝算と「四銃士」の策謀

 

「レコンケート」は、人種差別や女性蔑視を含む過激な言説で知られた『フィガロ』の記者エリック・ゼムール(65)が、2022年大統領選立候補を視野に入れてその前年に結成した。党名は、キリスト教徒がイスラム教徒からイベリア半島を奪還した国土回復運動「レコンキスタ」(フランス語はレコンケート)に由来する。マリーヌ・ルペン率いる右翼「国民連合」が近年、政権獲得を視野に穏健な経済社会政策を採用するようになり、カトリック強硬派や白人至上主義など元々のコアな支持層が宙に浮いたところを狙った試みだった。当初は大いに話題を呼び、「国民連合」に匹敵する支持を集めたものの、人気は長続きせず、大統領選でゼムールは7.07%にとどまった。

 マリーヌ・ルペンの姪であり、「国民連合」の前身「国民戦線」創始者ジャン=マリー・ルペンの孫にあたるマリオン・マレシャル=ルペンは、2012年に史上最年少の22歳で国民議会議員に当選した1。「国民戦線」の党政治局員に任命され、党に近いスタンスを取りながらも国民議会では無所属議員として1期活動したが、マリーヌとの関係が次第に悪化し、2017年総選挙には立候補せず一時政界から引退した。翌年、姓から「ルペン」を取ってマリオン・マレシャルと名乗るようになり、2022年大統領選ではゼムール陣営に参加し、レコンケート副党首に就任した。2024年欧州議会選では同党リストの筆頭となり、当選を果たした。

 彼女は高校生時代、当時の大統領ニコラ・サルコジに惹かれ、その政党「大衆運動連合」(UMP、現「レピュブリカン」)の青年組織に近づいたこともあり、右翼から右派にかけての幅広い結集の可能性に関心を抱いていたと思われる。マクロンの解散表明は、彼女にとってまたとないチャンスと映っただろう。……

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