政治

フランス総選挙中間報告(下) 揺らぐ新人民戦線、左翼にかつての勢いなく

2024年6月26日

マクロンの“勝ち筋”に欠かせない要素は二つあった。右派側では「国民連合(RN)の孤立」、左派側では欧州議会選でも躍進した小政党「公共広場」(PP)を中心にする中道寄り勢力の形成だ。だが左派左翼が連合した「新人民戦線」は、まとまりに欠けると同時にマクロンが期待した穏健勢力の台頭もなく、「公共広場」主催者のラファエル・グリュックスマンは大幅に発言力を失った。マクロン側は左派を呼び戻そうと揺さぶりをかけているものの、新人民戦線からマクロン側になびく兆候はうかがえない。

  • フランス総選挙中間報告(上) マクロン「解散」の勝算と「四銃士」の策謀
  • フランス総選挙中間報告(中) 右翼右派の連携を目論む「メディア王」

 

 フランス国民議会(下院)の解散総選挙に踏み切った大統領エマニュエル・マクロンの基本戦略は、右派と右翼、左派と左翼を分離し、左右双方の穏健な勢力との連携を探ることにあった。しかし、右派右翼連携を画策するメディア王の支援を受けて、右派の一部が右翼になびき、右側の情勢が混沌としてきたのは、すでに述べた通りである。同様に左側も、大統領の思惑通りには進まなかった。

 左派の社会党、共産党、環境政党「エコロジスト」(旧「ヨーロッパ・エコロジー緑」)の3党は2022年総選挙で、ジャン=リュック・メランション(72)率いる左翼「不屈のフランス」と連携し、左派左翼連合「環境社会新人民連合」(Nupes)としての統一候補を擁立して一定の成果を上げた。ただ、主導権を左翼に握られたことから左派の間で不満が高まり、2024年6月の欧州議会選は共闘が成立しなかった。社会党はこの選挙で、小政党「公共広場」(PP)を主宰するラファエル・グリュックスマン(44)を候補者リスト筆頭に招き、13.83%の得票という大健闘を見せた。左派では、中道指向が強いグリュックスマンの発言力が高まると見込まれた。

 しかし、事態は全く逆の方向に動いた。左翼との縁を切ったはずの左派が、再び左翼との連携に走ってしまったのである。……

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