経済・ビジネス

なぜ飛行機は定刻通り飛ばないのか――根深い空港の「特殊事情」に加えて航空会社の「甘え」も?

2024年8月22日


<span>なぜ飛行機は定刻通り飛ばないのか――根深い空港の「特殊事情」に加えて航空会社の「甘え」も?</span>
滑走路が混雑する羽田空港は離陸までに時間がかかり、それが次便の遅れにも繋がる悪循環に陥りがちだ (C)新潮社

 飛行機に遅れはつきもの――。誰もがそう思い込んでいる最近だが、これは空の便を選ぶことで“時間を買っている”利用者が甘んじて受け入れるべきことなのか。恒常的な遅延の背景には、我が国の主要空港が抱える「特殊事情」に加え、航空会社が定時性を重視しなくなった「甘え」があるのではないか。日本航空での勤務経験を持つ、桜美林大学航空マネジメント学群教授の戸崎肇氏が問題点を指摘する。

劣化する航空会社の定時性

 羽田空港は世界的に見ても超混雑空港であるといっていいだろう。都心に近く、利便性は高い。アクセスも、モノレールや京急など公共交通機関が充実しているし、リムジンバスの路線も豊富だ。今後も、モノレールの都心部へのさらなる延伸など、アクセスの改善は継続して図られていくことになっている。

 その利用者の多さゆえに、羽田空港には滑走路が4本もあるのに、早朝などラッシュアワーには航空機の混雑が激しく、離陸までにかかる時間が長くなりやすい問題がある。東京―大阪のような短い路線だと、搭乗している時間より、離陸するまでの時間の方が長いこともあるくらいだ。

 こうして到着機の遅れが生じることで、次便の遅延発生率が高まるという悪循環に陥る。現在では、5分から10分程度の遅れは当たり前のこととしなければならないし、利用者もむしろ10分程度で済むのならば幸運であると捉えるような事態となっている。あるいは、パイロットに「できる限り遅延をなくそう」という焦りが生じることは、今年相次いでいる航空機事故やトラブルとも無縁ではないだろう。……

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