※本稿は「週刊新潮」2019年8月15日号に掲載された特集を元に再構成したものです。また、年齢や肩書、年代表記等は当時のものです。(文中敬称略)
北斎の生き方に学べるもの
最良の選択であろう。2024年から流通する新紙幣で、最も流通量が多くなる千円札の裏面デザインを飾るのは、葛飾北斎による浮世絵版画《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》と相成った。来年春から導入される新パスポートの査証欄ページデザインにも同図の採用が決まっている。
手前に波立つ海景、その奥に鎮座する富士の山容。かくも日本らしさが凝縮した図柄はまたとない。対外的にも、葛飾北斎ほど遍く世界に知られた人物は、日本の歴史を総ざらえしたって他にいないのだ。……