経済・ビジネス

日本人は理性も焼け焦げる「バブル」の魔力を覚えているか

2025年12月19日


<span>日本人は理性も焼け焦げる「バブル」の魔力を覚えているか</span>

 四大証券会社の一翼を担う山一証券が自主廃業を発表したのは1997年11月。最後の社長となった野沢正平は、会見の場で「社員は悪くありません」と叫び、号泣した。株価は89年末のピークから下落して行く。含み損が発生した顧客企業の株式・有価証券を、山一は買い戻し条件付きで別の会社に転売する。隠語で「飛ばし」と呼ばれた取引が、行き詰まった果ての破綻だった。

 決算期に簿外に置ければ債務が表面化することはない――異常としかいいようがない行為が半ば当たり前に横行し、それに目を瞑れることが出世の条件でもあったあの時代は、なぜ生まれ、なぜ潰れたのか。『山一前後 日本証券市場の敗戦と復興』(日本経済新聞出版)の著者・小平龍四郎氏(日本経済新聞社編集委員)は、だれもが見えないふりをした市場の暗黒面が、その後の改革の方向性を定めたのだと指摘する。

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 バブルではないのか――。経済や金融市場の取材をしていると、しばしば耳にするフレーズだ。例えば「市場では、人工知能(AI)バブル崩壊の懸念が根強い。一方で、生成AIは当初の文章生成・対話応答から業務自動化へと用途を広げ、その進展ぶりは日々加速しているといっても過言ではない」(12月4日付日本経済新聞『十字路』)といった具合だ。……

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