経済・ビジネス

日本酒は“世界酒”になれるのか 新規免許の「規制緩和」でビジネスモデルはどう変わる

2026年5月2日


<span>日本酒は“世界酒”になれるのか 新規免許の「規制緩和」でビジネスモデルはどう変わる</span>
日本酒の国内消費量はピークの頃から約4分の1にまで減少(jazz3311/Shutterstock.com)

 日本酒業界では、約70年間ものあいだ、国内向け製造の新規免許がいっさい認められていない。この「岩盤規制」とも呼ばれる厳格な掟に、変化の兆しが表れている。政府が免許の新規発行について規制を緩和する方向で検討を進めているのだ。背景には、ワインを手本に日本酒を“世界酒”にしようという国家戦略や、日本酒ビジネスを手掛ける若手経営者の“挑戦”など、複合的な要因があった。日本酒業界の現在地や規制緩和に向けての展望や課題について、新潟大学経済科学部教授で日本酒学センター長の岸保行氏に聞いた。

契機となったのはユネスコ無形文化遺産登録

 日本酒の国内消費量は1973年の約170万キロリットルがピークで、今はその4分の1の約40万キロリットルにまで減少しました。

 高齢化が進み、これまで日本酒を好んで飲んでいた世代がいなくなってしまったことに加え、1970年代から比べるとアルコールの種類が多様化した影響も考えられます。ただ、そもそもアルコールの消費量自体が減ってきています。

 これは先進国に共通して見られる兆候で、実はフランスでもワインの消費量が減っています。国が豊かになって成熟してくると、やはり皆さんなるべく長生きしようと健康志向になります。日本でも「健康寿命が大事」みたいに言われるようになると、アルコールはどうしても悪者に見られがちです。

 中でも、日本酒は糖質が高いお酒です。焼酎などの蒸留酒に比べると、清酒には糖が残るという特質があります。そうすると、お酒が好きだけど糖質が気になるという方は、焼酎に流れてしまう。その結果、国内消費量は焼酎の方が約70万リットルと、日本酒よりも多いのです。……

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