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「自分たちだけがよければいいのか…」 高まる「免税廃止論」に元国税局長が指摘する意外な落とし穴とは

2026年5月2日


<span>「自分たちだけがよければいいのか…」 高まる「免税廃止論」に元国税局長が指摘する意外な落とし穴とは</span>
財務省庁舎 (C)新潮社

 今年の訪日観光客は、過去最速で累計2000万人を突破した。街じゅうに溢れかえる外国人を横目に、「本当にこれが日本の目指すべき姿なのか」と違和感を抱く向きは少なくあるまい。そこで昨今勢いを増しているのが、外国人観光客に対する「免税」の廃止論だ。免税を不正に利用した転売を防止でき、税収も増え、さらに「免税をやめても観光客は大きくは減らない」との見方もある。しかし「そう単純な問題ではない」と述べるのは、元金沢国税局長で、早稲田大学大学院会計研究科教授の伏見俊行氏だ。専門家が指摘する、「免税廃止」の落とし穴とは――。

※2025年8月8日「デイリー新潮」有料記事として配信されたものです。肩書等全て当時の情報です。

 先の参院選では、「外国人政策」が一つの論点となりました。その中でも訪日外国人に対する免税制度が注目の的になり、制度の見直しを求める声や、訪日客への課税論などがあがり始めています。

 背景には、「免税が日本国民の利益に繋がっていない」という考え方に加え、免税措置を悪用した転売行為が相次いでいる事情などがあるようです。2023年の免税購入額はおよそ1兆6000億円にのぼり、制度を廃止すればその1割、約1600億円の税収増が見込めるともいわれています。

 これに対し、免税廃止によって外国人観光客が減ってしまうのではないかという懸念もあるようですが、実際のところ、「免税が廃止になるなら、日本への観光はやめよう」とまで考える外国人の数は、そう多くはないのではないでしょうか。各党が主張している通り、免税があるから訪日客が増えたわけではなく、日本政府によるインバウンド拡大政策や、円安を背景に消費環境が良くなったことなどが、訪日客増加の主な理由でしょう。

 では、外国人観光客に対する免税は本当に廃止してしまってよいものなのか。私自身は、そう単純な問題ではないだろうと考えています。……

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