経済・ビジネス

「寝そべり族」を生んだ中国経済「家計債務」急増の実態

2021年7月12日

可処分所得に対する債務の比率はすでにリーマン・ショック時の米国を超え、多くの家計は「首の皮一枚」との分析も。特に住宅価格の高止まりは若年層の将来設計を直撃している。

   7月1日に「共産党結党100周年」を迎え、お祝いムードの中国。世界でいち早く新型コロナウイルスの感染を抑圧し、経済は「V字型」回復を果たしたとされるが、マスクを外した市民の表情は必ずしも一様に明るいわけではない。成長の源泉である消費が盛り上がりを欠き、経済回復のスピードが鈍ってきたからだ。消費不振の背景には、住宅価格の高騰などによる家計部門の債務急増がある。

日本のバブル期を超える債務水準

   1月から3月まで家計部門の債務は、毎月1兆元(約17兆円)と過去に例の無いペースで増え続けている――。中国で最近、国営通信社の新華社がこんな衝撃的な記事を配信し、話題となった。

   中国の家計債務はここ数年、急ピッチで増加している。中国人民銀行のまとめでは、2020年末時点の同債務の残高は73兆6000億元。前年末に比べ率にして14.6%、金額で約9兆元増加した。国内総生産(GDP)に対する比率は72.5%で、19年末時点より7.4ポイントも高まった。

   国際決済銀行(BIS)によると、日本で不動産バブルが崩壊した時の家計債務の対GDP比率は67.7%。米国のリーマン・ショック前の水準は98.5%だったという。中国の比率はBIS基準だと20年末時点で61.7%と、まだ日本を下回る水準だが、新華社が伝えた「月1兆元」の増加ペースが続けば、今年末には日本のバブル期を超え、米国の危険水域にもグッと迫る可能性がある。……

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する