政治

惨状「ミャンマー」に今こそ必要な日本の人道援助と「ワクチン外交」

2021年8月4日


<span>惨状「ミャンマー」に今こそ必要な日本の人道援助と「ワクチン外交」</span>

国軍支配とコロナ禍の二重苦にあえぐミャンマーに対する日本の対応は、鈍さだけが目立つ。「最大の援助国」と胸を張りたいのならば、まさに今、ワクチンの供与を含む人道援助を積極的に行うことが必要だ。

 2月1日にミャンマーでクーデターが発生してから、半年が経った。苛烈な抑圧によって945人の犠牲者と7000人以上の拘束者が出たミャンマーでは、現在は新型コロナウイルスの被害も甚大になっている。社会的機能の低下が、被害を大きくしていることは言うまでもない。国軍が医療資源を独占したり、反国軍派の市民を治療する医療従事者を攻撃したりする異常事態も報じられている。

 ミャンマーについては、危機の初期段階から人道的惨禍の恐れが指摘されていた。私も、人道援助こそが、国際社会が尽力しなければならない領域だと書いてきた。特に日本は、政治介入を嫌うのであれば、なおさら人道援助に力を入れるべきだ、と主張してきた(2021年6月24日『巧妙に続くミャンマー国軍「恐怖支配」に日本が果たすべき「責任」』)。この要請は、デルタ株が予想を上回るスピードで拡散した新型コロナ危機の深刻化によって、いっそう強まっている。

 ここであらためて、新型コロナが世界各地に与えている影響を概観したうえで、ミャンマーにおける国際的な人道援助が直面している困難と日本の立場について、考えてみたい。

政情不安と相関関係を持つワクチン接種

 新型コロナは、過去1年半にわたって、全世界に甚大な影響を与えた。ただしその様子は、各地で異なっている。はっきりしているのは、新型コロナが様々な政治体制に深刻な動揺をもたらしたことだ。危機の長期化に伴って、最近でもチュニジアやキューバなどの権威主義的性格の強い政治体制の国で、政府の新型コロナ対策の不備に対する民衆の不満が抗議運動として噴出してきている。南アフリカ、レバノン、ベラルーシなどにおける騒乱も、間接的には新型コロナが悪化させた社会経済活動の停滞が関わっていると言える。……

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