世界のリーダーとSF(サイエンス・フィクション)
ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、バラク・オバマ。誰もが知っている世界的なリーダーであり、優れたビジョナリーだ。だが同時に、彼らはSF(サイエンス・フィクション)作品好きである点も共通している。例えばジェフ・ベゾス氏は「Kindle」のアイディアにアメリカのSF作家ニール・スティーヴンスンの小説「ダイヤモンド・エイジ」の影響があったと話している。
ひるがえって日本のビジネスパーソンにとって、SF作品は遠い分野ではないだろうか。宇宙戦争、超能力やタイムマシンが出てくる非現実的なイメージがあり、趣味として読むことはあってもビジネスや研究、街の未来と関連付けて考える機会は少ないのではないか。
実は筆者もそうだった。しかし新規事業創出にたずさわる中で、「皆をワクワクさせ、熱量をあげて巻き込む未来像が描けない」ことに悩んでいたときに「SF思考」を知ったのであった。
きっかけは筆者の所属する三菱総合研究所の50周年記念研究だった。筑波大学との共同研究として、「2070年の未来社会を考える」ことになった私は、同大学で人工知能(AI)技術とSFとの相互作用について研究していた大澤博隆先生や研究員の宮本道人氏に出会った。……