経済・ビジネス

コロナ水際対策に切り札、「ワクチンパスポート」国際規格を握った期待のベンチャー

2021年11月29日


<span>コロナ水際対策に切り札、「ワクチンパスポート」国際規格を握った期待のベンチャー</span>

デジタル通貨のセキュリティー技術をワクチンパスポートに応用――。今年8月、日本のベンチャー企業「GVE」が提案した規格が、電気通信分野の世界的な規格化団体から承認された。この団体をグーグルなどと共にリードするGVEは、「Suica(スイカ)」にも使われるNFC規格「フェリカ」の開発者として著名な日下部進氏をセキュリティー技術のアドバイザーに据えている。

   とある日本のベンチャー企業が、世界標準規格を握ろうとしていることをご存知だろうか。それが世界の往来に必須となる「ワクチンパスポート」のデジタル規格だとすれば、その規模感は計り知れない。途方もないビッグディールを目前としているその企業とは、いったい何者なのか。

デジタル通貨開発からワクチンパスポートへの「必然」

   そのベンチャーとはフィンテック分野のスタートアップ企業のGVE(登記上の本社は東京都中央区)。スイスに本社を置く大手銀行UBSグループでマネジャーを務めた元金融マンの房広治(ふさ・こうじ)氏を中心に設立された。

   GVEはこれまでにデジタル通貨の開発などを行ってきた。近年、各国の中央銀行が、現金をデジタル通貨に置き換える「中央銀行デジタル通貨」(CBDC)の導入に向けて実験を行っており、GVEは特に新興国が中銀デジタル通貨を導入するためのプラットフォーム設計に協力してきた。アジアではネパールがGVEと国際協力機構(JICA)の協力を得て実験を行う計画という。

   中銀デジタル通貨の開発を手がけるGVEがワクチンパスポートの開発に乗り出したのは必然だった。中銀デジタル通貨は、法定通貨である現金をデジタル化する壮大な試みで、その実現には、ハッキングなどサイバー攻撃によってデジタル化されたお金が盗まれないようにする強固なデータセキュリティーの仕組みや技術が欠かせない。GVEの技術的な強みもデータの漏洩を防ぐ情報保護にある。……

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