政治

「反中国包囲網」が虚ろに響いた「民主主義サミット」と民主主義の岐路

2021年12月14日


<span>「反中国包囲網」が虚ろに響いた「民主主義サミット」と民主主義の岐路</span>

アメリカ主導で、111の国と地域が参加した「民主主義サミット」。権威主義・専制主義との闘いを前面に押し出したが、コロナ禍やクーデターの頻発で、足元の民主主義に揺らぎと退潮が見えている。

 12月9~10日の日程で、オンライン形式の「民主主義のためのサミット」が開かれた。権威主義に対抗し、腐敗を防ぎ、人権を促進していくことをテーマにして、111カ国・地域がアメリカに招待された。

乏しいアジア諸国の存在感

 米国務省のウェブサイトでは、ジョー・バイデン大統領の冒頭スピーチや、各国首脳のビデオメッセージが紹介されている。岸田文雄首相も首相官邸からオンラインでスピーチを行い、「自由、民主主義、法の支配といった基本的価値を損なう行動に対し、有志国が一致して臨むこと」の必要性を述べた。110以上の顔が映ったスクリーンの前に座ったバイデン大統領が、着席しながら冒頭演説をする姿は、現代世界を象徴するシーンでもあった。

 ただ、主催者であるアメリカの視野が、どこまで新しい時代をにらんだものだったかは、怪しい。会議は国務省主導でアントニー・ブリンケン米国務長官がホスト役になっているところもあるが、サマンサ・パワー米国国際開発庁(USAID)長官がかなり入れ込んでいる様子も見てとれる。

 日程も12月9日の国際腐敗防止デーにあわせたものと思われるが、どこか援助調整会議のような性格を感じさせる。国連大使時代は、積極的に独裁政権の批判などを繰り返していたパワー長官だが、果たしてアメリカの力の衰退の事情をのみこめているのだろうか。日本のメディアは、事実上の反中国包囲網の形成といった見出しで報じているが、およそそのような展望が出てくる内容には見えない。……

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