ESG(環境・社会・企業統治)投資の広がりとともに、企業は多様な情報を開示するようになった。改めてウエブサイトで調べると「えっ、そこまで?」と思うような情報が見つかる。
例えば、大手証券グループの野村ホールディングス。証券市場のリーダーを自任するだけに、「ESGデータ」もかなり充実している。サステナブル・ファイナンスの実績値や、地域別の男女の管理職比率、育児休業取得者、さらには男女別の育児休業後の復職率なども開示されている。主にESGのSの要素に関するものだ。
「社員の移動に伴う温暖化ガス排出量」算出は意外に簡単?
第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を経て一段と注目されるようになったESGのE、すなわち環境関連の情報はどうか。「従業員1人当たりの温暖化ガス排出量」や「地域別のエネルギー消費量」などは言うに及ばず、「社員の移動に伴う温暖化ガス排出量」というデータもある。これは、社員や役員が業務目的で長距離移動をした時の飛行機や列車、社有車などから排出される温暖化ガスの量だ。おおむね、国内外の出張の頻度に比例する。
当然、新型コロナウイルス禍で出張が激減した2021年3月期は、温暖化ガスの排出も少なかった。日本、米州、欧州、アジア・オセアニアの4拠点の合計は3709トンと、20年3月期の約10分の1。国外への出張がほぼなかったため、飛行機による長距離移動が最小限に抑えられた。出張などの記録は会社に残っているので、飛行機や列車の距離あたり平均排出量と実際の移動距離を掛けあわせれば、意外に簡単に分かるのだという。……
