経済・ビジネス

大企業「大量離職」時代がついに始まる:入山章栄×清水洋「イノベーティブな日本に」(前篇)

2022年2月21日


<span>大企業「大量離職」時代がついに始まる:入山章栄×清水洋「イノベーティブな日本に」(前篇)</span>
左から入山章栄氏、清水洋氏(撮影・新潮社写真部)

『世界標準の経営理論』などで注目を集める気鋭の経営学者・入山章栄氏と、イノベーション研究で最も権威ある国際賞の一つ「シュンペーター賞」を受賞した清水洋氏が語り合う経営学の最先端。2022年はベンチャーの給料が大企業を逆転する?

経営学の最注目テーマは「ベターワールド」

――経営学では、今年どのようなテーマが注目されていますか。

入山 世界でもっとも大きい経営学会「AOM(Academy of Management)」の今年のテーマは、「Creating a Better World Together」でした。ベターワールドというテーマは、SDGsの流れから出てきたものでしょう。1月のCES2022も、参加者から「ビジョン大会だった」と聞いています。「我々はこういう世界をつくる。そのためのテクノロジーがこれだ」と各社がベターワールドのアピールばかりしていたそうです。

 ベターワールドは最注目のテーマですが、経営学でそのようなテーマが設定されたのは、それが経営的にどのような意味を持つのか、まだわかっていないからでしょう。たとえばESG経営をやらなきゃいけないとみんな言っていて、僕もそう思って自分なりに経営学的な説明もしています。ただ、ESG経営が企業にとって本当にいいことなのか、まだコンセンサスは取れていない。

清水 エネルギー会社の人は、「再生可能エネルギーをやらなきゃいけないが、やっても儲からない」と言ってました。インセンティブがないことを企業にやらせてもろくなことにならない。ベターワールドを目指すことを儲けることとつなげるか、あるいはガバナンス側を変えるか。どちらかしないと、おそらく進まないでしょうね。……

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