経済・ビジネス

「エース級若手」こそJVに送れ:入山章栄×清水洋「イノベーティブな日本に」(後篇)

2022年2月21日


<span>「エース級若手」こそJVに送れ:入山章栄×清水洋「イノベーティブな日本に」(後篇)</span>
日本経済に広がる閉塞的な空気を打破する鍵は「ジョイント・ベンチャー」にあるという入山・清水両氏(撮影・新潮社写真部)

日本企業が人材と技術を活かせないのは、「経営」そのものが問題なのか? 不採算事業からの撤退スピードアップ、研究開発投資の増額など、2022年企業マネジメントの主要課題をグローバルな視座から洗い出す。

(前篇はこちら)

 「社会の公器」でありすぎた日本企業

清水 日本企業が優秀な人材や基礎技術力といったリソースを活かしきれていないことが経営の問題かどうかは、ちょっと疑問なんです。日本とアメリカで、1960年から上場している企業の利益が、その企業が属する産業平均にどれだけ早く回帰するかを調べたことがあります。企業は競争しているので、一時的には飛び抜けて儲けていても、10年20年経つと儲けが減ってきて産業平均に近づいていくんです。

 回帰するスピードを見ると、日本とアメリカはほぼ同じように回帰していきます。例外的にアメリカのトップ10パーセンタイルだけは80年代から回帰しないのですが、日本はトップ10パーセンタイルも含めて回帰します。経営がうまい会社とうまくない会社があるなら回帰しない会社があっていいのに、そうなっていません。ということは、企業が人と技術を活かしきれていないのは、経営の良し悪しではなく、もっと大きな仕組みの問題なのではないかという気がするのです。

 アメリカのトップ10パーセンタイルが回帰しなかったのも、経営がうまいからではなく、社会制度が違うからだというのが僕の見方です。みんなアメリカを見てイノベーション起こせというけれども、そもそも社会制度が違うのだから、真似しても仕方がない。……

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