経済・ビジネス

「LNG爆買い」「原発輸出」…世界のエネルギー秩序に飛び込んだ中国という巨鯨

2022年3月17日

脱炭素の加速と地政学リスクの高まりの中で、国際エネルギー市場は新たな秩序を求めている。その新体制の姿を左右するのは、エネルギー消費国としても、原発・再エネのインフラ輸出国としても、圧倒的な存在感を見せ始めた中国というプレイヤーかもしれない。

 中国がエネルギー分野で存在感を増している。環境保全を「国是」に位置付ける同国は液化天然ガス(LNG)の買い付けを急拡大させ、輸入量は世界最大となった。中期的には原子力への依存度を高める計画で、国産原発の建設を加速させ、海外への輸出も拡大する構えだ。ロシアのウクライナ侵攻により混迷の度を深める世界のエネルギー市場。中国はじわじわとその盟主の座を狙う。

 上海市から北西へ約400キロ。長江から流れ込む土砂で黄色く濁った海に面する江蘇省塩城市浜海港区で、世界最大級のLNG備蓄基地の建設が進んでいる。

 国有石油大手の中国海洋石油集団が主体となった中国の独自設計・建設プロジェクトで、高さ60メートル、容量27万立方メートルという巨大タンク6基の本体工事がこのほど本格化した。先行して建設されている22万立方メートルのタンク4基は年内に完成、2023年末までには全10基が稼働する計画だ。海外から買い付けたLNGの年間処理能力は600万トンに達し、江蘇省全住民の生活用ガスの2年分以上を貯蔵できるようになる。

 中国がLNGの「爆買い」に走っている。2021年の輸入量は前年比で18%も増え、過去最高の7900万トンを記録。半世紀前から買い手として世界のLNG市場をリードしてきた日本から、世界最大の輸入国の座を奪った。爆買いの勢いは止まらず、2050年の輸入量は日本の3倍を超えるとの試算もある。……

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