「グローバリゼーションの終止符」を語ったラリー・フィンク
10兆ドルあまりのマネーを運用する米国の資産運用会社、ブラックロックはグローバル化の申し子というべき存在である。そのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は3月24日、投資家への手紙で「グローバリゼーションの終止符」に言及した。引き金となったのはいうまでもなく2月24日のロシアによるウクライナ侵攻である。
ブラックロックの創業は34年前の1988年。翌89年にはベルリンの壁が崩壊し、90年には東西両ドイツが統一され、91年にはソ連共産党体制が終焉の時を迎えた。米ソ冷戦終結による「平和の配当」やグローバリゼーションの追い風を受けて、同社は急成長してきたが、海の色が変わったとの認識を示したのである。
ロシアのウクライナ侵攻から1カ月あまりたった3月26日、米国のジョー・バイデン大統領はポーランドの首都ワルシャワで演説した。この演説は「この男が権力の座にとどまり続けてはいけない」の部分が切り取られ、プーチン体制の転換を目指すものとの指摘が目立った。草稿にはないこのアドリブは、ロシアとの話し合いの糸口を失う、との批判だ。果たしてそうか。
「恐れるな(Be not afraid.)」。冒頭から教皇ヨハネ・パウロ2世の言葉を引用した、バイデン演説はロシアとの最前線に立つポーランドの国民を強く意識したものである。ヨハネ・パウロ2世といえば、1978年にポーランド人として初めて教皇に選出され、共産党支配下にあったポーランドをはじめとする東欧諸国の民主化運動の支柱となった人物である。……