ロシアが8年前にウクライナを侵攻していたら、ロシアの想定通り、48時間で勝利を収めていたのは確実だとみられる。
しかしウクライナは2014年以降、インテリジェンス組織も軍隊も劇的な変貌を遂げていた。ウクライナは想定外に強力になっていたため、ロシア軍は緒戦で大きくつまずいたのである。
ウラジーミル・プーチン露大統領については、「政権幹部が怖くて真実を言えず、誤った情報を与えられていた」(米政府筋)といった米国のインテリジェンス情報が今も繰り返し報道されている。
だが本当に、真実が伝わっていなかったのだろうか。ウクライナ政府の内部に潜んでいたロシアの大物スパイらが、北大西洋条約機構(NATO)諸国の情報機関の協力も得て摘発されていた事実や、弱体化していたウクライナ軍が米国などの支援で再建されていたことが、プーチン大統領に伝えられていないはずがない。自分の責任を部下に押し付けようとした可能性がある。……