経済・ビジネス

環境への悪影響を孕むバイオマスの「大型発電」

2022年5月25日


<span>環境への悪影響を孕むバイオマスの「大型発電」</span>
木質バイオマス発電は、既存の産業構造やエネルギー消費構造のどこに、どのような形で当てはめるかの設計が不可欠だ (C)tchara/Shutterstock.com

再生可能エネルギーの一つとして、木材等を燃料にするバイオマス発電が注目を集める。だが、その有効活用には緻密な制度設計が必要であり、大型発電施設が次々にできる日本のやり方ではむしろ環境への悪影響を危惧しなければならない。FIT(再生可能エネルギー電力固定価格買取制度)によって温室効果ガスの排出量を増やしたり、自然環境を破壊しては、元も子もない。

 2022年の元旦早々、欧州委員会は再生可能エネルギー(以下、再エネ)をベースにした未来への移行を促す一手段として、天然ガスや原子力を持続可能な経済活動の分類に含める案を発表した。そして3月、ロシア軍は稼働中のウクライナ南東部のザポロジエ原発を砲撃、制圧した。欧州の天然ガスの価格も最高値を更新し、エネルギーの安全保障はさらなる難局に直面している。

 再エネへの移行を望まない者はいないだろう。誰しもこの目的は共有できる。ただし、持続可能なのか、温室効果ガスの排出削減という本来の目標を達成できるのか、という問いからも、我々は逃れることができていない。

 たとえばバイオマスを燃料にする大型発電が次々に計画される一方で、燃料が調達できない、稼働できないといった問題が報道される。また大型発電で使うパーム油にまつわる環境破壊も報道されている。しかし何も不思議はない。そこには、化石燃料の延長線上に置かれた発想しかないからだ。

 2012年にFIT(フィット)が開始されて以降、生物資源を燃料にする再エネの一つ、バイオマス発電も認定量が急増している。……

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