経済・ビジネス

「新しい資本主義」の目玉「パブリック・ベネフィット・コーポレーション」を日本に根付かせる必須条件

2022年6月1日

岸田文雄政権が打ち出した日本版PBC(パブリック・ベネフィット・コーポレーション)構想が俄かに注目を集めている。ビジネスを通じて「公益」を実現する会社の新形態と大括りには理解されるが、その本家、アメリカでの実態はどのようなものか。踏まえておくべき日米の「会社」が置かれた環境の違いとともに解説する。

「パブリック・ベネフィット・コーポレーション」(PBC)をご存じだろうか。岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」政策の目玉の一つとして、議論が進む会社の新形態だ。ルーツは米国にあり、「公益企業」とか「公益重視企業」などと和訳されることが多い。日本版PBCは日本経済を活性化させる切り札になるだろうか。

「公益重視」会社に新形態 政府検討 短期利益偏重を見直し――。5月17日付日本経済新聞朝刊1面は、こんなニュースを伝えている。

「米国などで法整備が進む『パブリック・ベネフィット・コーポレーション』(PBC)を参考に制度設計に入る。PBCは株主の利益だけではなく、公益に資する事業に率先して取り組むと明示した会社形態を指す。企業は貢献を目指す公益を定め、経営陣はその公益と株主の利益とが釣り合うように経営する」
 

 「企業にとっての利点は短期的な利益を求める株主の意見にとらわれすぎず、中長期的な社会課題の解決を目指す事業に投資できることだ。例えばスタートアップの経営者は株主と対話する際に、中長期的な社会貢献を目指すことを会社の目的として説明しやすくなる」

 日本の銀行や証券会社はどうもピンと来ていない様子。一方、外資系の資産運用会社や非政府組織(NGO)などの中からは「一定の評価はできる」といった声も聞かれる。……

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