[ドバイ発(ロイター)]サウジアラビアの初代国王アブドゥルアジーズの孫であり、レバノンの初代首相リヤード・アッ=スルフを母方の祖父にもつアルワリード・ビン・タラール王子は、サウジの“ビジネスの顔”として世界的にその名を知られている。王子は「サウジのウォーレン・バフェット」を自任し、投資会社「キングダム・ホールディング(以下キングダム)」のCEOとしてシティグループからウーバー、ツイッターまでさまざまな企業に投資し、何億ドルも稼いできた。その王子の“我が世の春”が終わろうとしている。
67歳のアルワリード王子は、サウジ証券取引所が扱う5%以外の株式をすべて所有することで、キングダムの経営を独占してきた。しかし今年5月、政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」が株式16.87%を取得した。
長年にわたって投資先を好きに選んできたアルワリード王子だが、PIFがキングダムに少数株主として参画したことで、状況は変わると消息筋は見る。強大な政府系ファンドのPIFが出資して黙っている可能性は低いからだ。
PIFは、石油依存を脱してサウジ経済を多様化したいムハンマド・ビン・サルマン(MbS)皇太子の野心的な「ビジョン2030」計画の核をなす存在であるだけに、今後はキングダムの投資方針について、投資委員会の発言力が増すことを要求するだろうと、同社に詳しい2人の事情通が言う。……