経済・ビジネス

【Analysis】地域格差是正が遠のいている「ブレグジット後」のイギリス経済

2022年7月2日


<span>【Analysis】地域格差是正が遠のいている「ブレグジット後」のイギリス経済</span>

EU(欧州連合)離脱の投票から6年、イギリス経済が貿易と投資によって成長へ向かうというブレグジットに寄せられた期待は今のところ実らない。そしてボリス・ジョンソン首相のもう1つの看板政策、地域格差是正に向けた「レベリング・アップ(平準化)」も危ぶまれている。

[ロンドン発(ロイター)]イギリスは新型コロナウイルス禍に再開した世界経済の輸出増の波に乗り遅れた。過去12カ月間の伸びはG7(先進7カ国)中で最下位だ。英シンクタンクのレゾリューション・ファンデーションは、精彩を欠いたイギリスのパフォーマンスはブレグジット以降に増した経済の閉鎖性を反映していると指摘した。

 

   これを地域格差という視点で捉え直せば、2022年第1四半期、サービス業が中心のロンドン経済はコロナ禍前の2019年末より2.6%拡大した。それに対し、北アイルランド以外の地域はどこもパンデミック前の経済規模を回復することができていない。

   遠のく平準化を逃さぬためには、貿易のパフォーマンス改善が必要だ。イギリスの輸出が他のG7諸国の平均値で伸びたと仮定すると、イギリスは2022年4月までの1年間に更に約380億ポンド(470億ドル)の輸出増が見込めたと推定できる。2017年の公式データによると製造業の生産高の約95%を首都圏以外の地域が担っているため、これはイギリスの工場、とりわけロンドン以外の地域にとって、数十億ポンドの収入が失われたことと等しい。

 

   製造業は、イギリスの経済生産の10%程度を占めるにすぎないが、2016年のEU離脱投票で大きな比重を占めたイングランドとウェールズの多くの地域――イースト・ミッドランズやノース・イーストなど――では、成長と投資の重要な原動力となっている。イギリスの製造業団体「Make UK」のシニアエコノミスト、フラヒン・カーン氏は「ブレグジットを求めた地域が、貿易面でのマイナスの影響を最も受けた可能性が高い」と指摘する。……

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