経済・ビジネス

チェコ水素ミッションが来日――エネルギー分野における日欧協力の可能性

2022年10月8日


<span>チェコ水素ミッションが来日――エネルギー分野における日欧協力の可能性</span>
東京・広尾のチェコ大使館で開催された水素戦略に関するラウンドテーブル(左から2番目がメルヴァルト水素特使)

2020年に国交樹立100周年を迎えた日本とチェコ。勤勉な国民性、発達した自動車産業など、両国には共通点が少なくない。2050年までのカーボンニュートラル実現と、ロシア産エネルギーからの速やかな脱却を目指し、原子力に加えて水素の活用を模索するチェコは、日本にとっても有望な協力相手となり得るだろう。

 

来年は「日本チェコ戦略的パートナーシップ」20周年

 2022年8月末から9月初旬にかけ、チェコ共和国の産業貿易省からペトル・メルヴァルト“水素特使”をトップとする「水素ミッション」が来日した。水素特使や水素ミッションという耳慣れない概念について説明する前に、チェコと日本の経済関係について簡単に紹介しておきたい。

 欧州の中心に位置するチェコ共和国は、民主主義国家として日本と価値観を共有しており、2004年からEU(欧州連合)加盟国となっている。人口約1070万人と小規模ながら、1人あたりのGDP(国内総生産)は2021年時点で4万4198ドルに達し、日本の4万3002ドルを超えた。失業率に関しても、新型コロナウィルス感染症の影響にもかかわらずEU内で最も低い。また、国内には世界で最も古い自動車メーカーを2つ抱え(「タトラ」が1850年、「シュコダ」が1895年)、人口あたりの自動車生産台数は日本やドイツ、アメリカを抜いて世界第2位となっている(1位は隣国のスロヴァキア)。

 伝統的な工業国で、治安が良く、国民の教育水準も高いチェコには、トヨタ自動車やパナソニックといったメーカーを中心に270以上の日本企業が投資している。チェコにとって日本は現在、ドイツに次ぐ2番目の投資国となっている。2020年には日本との国交樹立100周年を迎え、2003年に小泉純一郎首相(当時)がチェコ共和国を公式訪問し両国が戦略的パートナーシップを締結してから、来年で20周年を迎える。……

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