政治

「ウクライナNATO加盟」をめぐり米国の議論に見逃せない変化

2023年3月10日

来年のNATO首脳会議は米国が主催する。過去には1999年の東欧3国加盟など、米開催の首脳会議で多くの重要決定が下された。ウクライナの加盟が一足飛びに実現に向かう可能性は低いが、早期加盟に消極的なストルテンベルグNATO事務総長の退任も今年9月に控えており、フィオナ・ヒル氏が指摘する「米政府の対応の変化」が注目される。

 

 丸1年を経たロシア・ウクライナ戦争は、春から夏にかけての戦況が天王山となり、秋以降は来年の米露両国の大統領選をにらんで、「政治と外交の季節」に入るかもしれない。戦場となったウクライナにとっても、2度目の冬を迎えるのは苦痛だ。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「今年を勝利の年にする」と何度も強調する背景に、年内に決着を付けたい思惑が透けて見える。

 停戦交渉が行われる場合、最大の難関はロシアが支配する領土の線引きと、戦後のウクライナの安全保障をどう確保するかだろう。

 ロシアの再度の侵略を防ぐには、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟が最も有効であり、NATO加盟論議が今後、浮上しそうだ。

「賛成」に転じたキシンジャー氏

 99歳のヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は1月17日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)にビデオ出演し、ロシア・ウクライナ戦争の解決策について、「境界線を開戦前のラインに戻すべきだ」とした上で、ウクライナのNATO加盟が適切だと指摘した。

 キッシンジャー氏は「私は戦争前、ウクライナのNATO加盟に反対していたが、今では加盟が望ましいと考えている。現在の状況では、ウクライナの中立化という考えは意味がない」と述べ、ウクライナの安全をNATOが保証すべきだと強調した。……

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