政治

「プリゴジンの乱」後のロシア政界バランスシート――最大の敗者はプーチン大統領か

2023年7月5日


<span>「プリゴジンの乱」後のロシア政界バランスシート――最大の敗者はプーチン大統領か</span>
ロシアのエリート層は、プーチンに今後6年の治世を委ねるのだろうか ロシア大統領府HPより

事件で最も株を上げたのはベラルーシのルカシェンコ大統領だろう。ただし、事態を現実にコントロールしたのは、パトルシェフ安全保障会議書記、コワルチュク・ロシア銀行会長、ワイノ大統領府長官、グリズロフ駐ベラルーシ大使らだとの指摘がある。かたや“負け組”はショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長、反乱に加担した疑義のある軍高官たち、そしてプーチン大統領その人だ。

 

 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」がプーチン政権に反旗を翻した「プリゴジンの乱」は約24時間で収束したものの、前代未聞の反乱事件はプーチン体制の弱さを露呈し、政権を揺さぶった。決起から収拾までの経緯には謎が多く、事件の衝撃が続いている。

 ロシアは秋から「政治の季節」に入り、来年3月17日の大統領選に向け、ウラジーミル・プーチン大統領は5選を目指して動き出すが、反乱事件が続投に影を落とすだろう。反乱の後始末を経て、権力構造に変化が生じる可能性もあり、事件をめぐる要人のバランスシートを探った。

「ロシア最高責任者はルカシェンコ」

最大の勝者はやはりルカシェンコか(Wikimedia Commonsより)

「プリゴジンの乱」の最大の勝者は、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領だろう。同大統領は6月27日の演説で、決起中に6、7回エフゲニー・プリゴジン氏に電話し、「(ロシア軍と戦うと)虫けらのように潰されるだけだ」「あなたと仲間の絶対的な安全を保証する」などと終日説得して翻意を促したと明かした。……

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する