ドイツ政府は3年ぶりに国家水素戦略(NWS)を改訂し、2030年までに国内で生産する水素の容量目標を2倍に増やすなど、2045年のカーボンニュートラル達成には水素普及が不可欠という姿勢を強く打ち出した。だがエネルギー業界からは、再エネ電力の不足や水素の生産費用の高さなどについて懸念が出ている。
国内生産容量目標を倍増
連邦経済気候保護省(BMWK)が7月26日に公表した新NWSは、2020年に前のアンゲラ・メルケル政権が公表したNWS(旧NWS)の路線を踏襲しながらも、水素普及の加速へ向けて、より野心的な目標を設定したことが特徴だ。
旧NWSは、「2030年の国内の水電解設備による水素生産容量目標を500万kWとする」としていた。これに対し新NWSは、「2030年までに国内の水電解設備によるグリーン水素の生産容量目標を少なくとも1000万kWに引き上げる」と明記した。
グリーン水素とは、風力や太陽光などによる再エネ電力だけを使って、水を電気分解して生産する水素のことだ。生成過程で二酸化炭素(CO2)が排出されないことから、オラフ・ショルツ政権はグリーン水素を最も重視している。政府は、水素を生産するための水電解設備の建設を促進するべく、民間企業に対して、助成金(補助金)を出す方針。助成金の額は、入札によって決められる。……