経済・ビジネス

【Analysis】風力発電産業に漂い始めた幾重もの暗雲

2023年10月15日

洋上風力発電業界は、サプライチェーンの混乱、発電装置の設計上の欠陥、コストの上昇などがもたらした最悪の状況に見舞われている。業界の有力者や投資家、アナリストたちは、数十もの開発プロジェクトが各国の気候変動目標の達成に間に合わなくなる危機に瀕していると指摘する。

[ロンドン発/ロイター]化石燃料への依存度を引き下げる競争が、クリーンなエネルギーの需要の高まりに後れを取らないようメーカーやサプライチェーンにプレッシャーをかけている。それが特に顕著なのは欧州連合(EU)だ。EUでは、2030年までに全エネルギーの42.5%を再生可能エネルギーで賄うという、法的拘束力を有する目標をすでに最終決定してしまっている。

 業界団体のウィンドヨーロッパによると、EUが再生可能エネルギーの比率を現在の32%から42.5%という新たな目標まで引き上げるには、風力発電の容量を現在の205ギガワット(GW)から420GWへと2倍以上に、うち洋上風力発電の容量にいたっては17GWから103GWと6倍にまで増やす必要がある。

 しかし、現時点ではイギリス、オランダ、ノルウェーの洋上プロジェクトは、コスト高とサプライチェーンの制約により延期または棚上げになっている。9月8日にイギリスで行なわれた再生可能エネルギー向け補助金をめぐる入札では、洋上風力発電についての応札は皆無だった。これもコスト高への懸念ゆえの結果だ。

 ジュピター・アセット・マネジメントの投資マネジャー、ジョン・ウォレス氏は、「こうした傾向が各プロジェクトの長期休止につながれば、2030年の再生可能エネルギー目標の多くは達成が難しくなる」と語る。……

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