- どんぶらこ、海を渡る――外国の画家が「桃太郎」を描いてみたら|第1部・プロジェクトのはじまり
- どんぶらこ、海を渡る――外国の画家が「桃太郎」を描いてみたら|第2部・インドネシア「バトゥアン絵画」&イラン「ミニアチュール」
筆者が今回の取り組みを開始した直後、世界各国のアートをTwitter(X)で検索していて、東京・池袋のジュンク堂書店でティンガティンガアート展が開催されているのを知り、実際に絵を見に行って「これだ」と思った。展覧会を主催する株式会社バラカに連絡し、趣旨等を説明の上、協力を仰いだ。代表の島岡夫妻は30年に渡りティンガティンガアートに携わり、特に奥様はタンザニアの民話を基にした絵本も製作しているとのことで、今回のプロジェクトの趣旨をすぐにご理解下さった。
星空の下でマンゴーから生まれる桃太郎
島岡夫妻が紹介して下さったティンガティンガアーティストが、アブダラ・サイーディ・チランボニさんである。アブダラさんは、桃太郎という未知の物語をキャラクターに落とし込むべく、かなり長い時間をかけたという(下書きの時間とペンキで描いた時間がほぼ同じだったそうだ)。
1枚目から順に説明しよう。冒頭の山に柴刈り、川で洗濯の場面には、アフリカ最高峰のキリマンジャロが描かれている。また、他の国の画家の皆さんと同様に、様々な種類の動物や熱帯魚が描かれている。おじいさん、おばあさんも非常にエネルギッシュで、髪型もコーンロウというところに地域特性が出ている。
2枚目は桃が登場するシーンだが、「桃」はタンザニアでは馴染みがないようで、アブダラさんは、現地で良く食されるマンゴーを選び、その中でも一番大きなボリボという品種を描いた。1枚目と同様、おじいさんとおばあさんの服が非常に鮮やかである。実は、これ以降、物語の中の日付が変わるごとに二人の服装も変わる、という細かい表現がなされている。……