※本稿は「週刊新潮」2018年4月12日号に掲載された特集を元に再構成したものです。また、年齢や肩書、年代表記等は当時のものです。
毎朝、靴音に怯える日々
刑が確定して月日が経つに連れ、死刑囚たちは何より「耳」が鋭敏になるという。
死刑が執行されるのは、大抵、午前中のこと。コツコツコツコツ……毎朝、刑務官の足音が廊下に響くと、彼らは、それが自らの房の前で止まるのではないか、と身を固くする。そして、足音が通り過ぎると、今日一日は命を永らえたとの安心感で虚脱するのだそうだ。東京拘置所の関係者が言う。
「実際に執行があると、その日の夜は大変です。夕方のニュースでそれを聞いた死刑囚たちが“バカヤロー!”“どうなってるんだ! ○○!”などと、法務大臣の名前を呼び、ドアを蹴ったり、暴れたりする。それは夜じゅう続きます。翌日も、担当官は死刑囚から次々と不安を打ち明けられて、数日間はてんてこ舞いになるんです」……