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最強官庁・財務省の黄昏――今夏の人事が象徴する「次の次」の次官候補を占う

2026年5月20日


<span>最強官庁・財務省の黄昏――今夏の人事が象徴する「次の次」の次官候補を占う</span>
財務省の未来は

 高市早苗首相が我を押し通すか、それとも――。衆院選の自民党公約にも掲げた2年間限定の飲食料品消費税ゼロについて、超党派の「社会保障国民会議」が議論を続けてきた。その渦中における財務省人事は霞が関・永田町の間でも格好の話題の的だ。今年の人事の要点を整理し、来年以降の体制を展望する。

次の次官は宇波氏が有力

 今年の人事でも注目となるのは言うまでもなく、事務方トップの事務次官と主計局長人事だ。

「昭和62年入省の新川浩嗣次官は勇退とみられていました」

 とは財務省関係者。

「すでに就任から2年と務め上げた上、今後の消費減税や給付付き税額控除の展開によって、負の遺産とともに退くことになると思います。その後を襲うのは平成元年入省の宇波弘貴主計局長が有力ですが……」

 宇波氏は都立西高校から東京大学経済学部を卒業後、当時の大蔵省に入省している。新潮QUE編集部が独自に入手した、財務省の全職員の学歴が記載された「裏表紙」によると西高出身者の財務省職員は近年減ってきており、宇波氏の期の前後でも見当たらない。

「旧民主党の野田佳彦政権で官房長官秘書官を務めたことから、野党とのパイプが太く、石破政権下の少数与党という厳しい国会情勢の中では“野党対応は宇波にかかっている”と言われていました。元財務官僚で前衆院議員の大串博志さんとは入省同期であり、テニス仲間としても親しい。日本維新の会との人脈もあるとされている。かねてエースと言われていましたから順当な人事と言われていました。しかし、消費税の議論を巡り、高市首相が神経質になっているとも言われ、宇波氏ではない候補も取り沙汰されています」(同)

では、仮に次が宇波氏だとして、その後の主計局長は誰か。

 その下の世代にあたる平成3年入省組のライバルとされてきたのは、坂本基官房長と寺岡光博関税局長だ。

「寺岡さんは開成高校出身で、何といっても『菅義偉印』の筆頭として名が知られていました。菅義偉元首相の秘書官を務めた人材です。総理を退いた後も菅事務所に出入りしており、菅氏が復権すれば、次官の有力候補になると言われていました」(財務省職員)

 潮目が変わったのが昨年の人事だ。坂本氏が官房長を留任となり、寺岡氏は坂本氏の後任の総括審議官から関税局長に就くことになった。この人事には読み解きが必要だ。

「森友問題です。寺岡さんは菅氏の長官秘書官だったことから、当時の森友問題の内情を知る立場だった。そのため、国会答弁が求められる官房長への就任には懸念があったとされます。さらに昨秋に自民党総裁戦があり、仮に小泉進次郎さんが総裁になった場合は次官レースに舞い戻る可能性も残していました。しかし、高市さんが勝利したためにその線もなくなりました。よって主計局長の有力候補として坂本氏の名が挙がっています。坂本氏は主税が長く、筑波大学附属高校から東京大学法学部を経た切れ者。温厚な性格で政治家相手にも“ニコニコ”“ペコペコ”と立ち回ることができる。コロナ禍では内閣官房のコロナ対策で活躍していましたし、官房長としては国会まわりの仕事を担い、野党とも話せる全方位型の官僚として評価されています。この期では入省当時、主計局総務課に配置された別の職員がエース候補だったのですが、主税を長く歩き、苦労を重ねた坂本さんが長い年月をかけて高い評価を獲得してきたのです」(同)

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