<span>曲がりくねった人生を貫く背骨はあるか――舘ひろしをつくった「英国式生活」と一冊の本</span>
インタビューに応じる舘ひろしさん

ドキュメンタリー|カルチャー

曲がりくねった人生を貫く背骨はあるか――舘ひろしをつくった「英国式生活」と一冊の本

2026年5月19日

いろいろあって、人生だ。視界不良の時期もあるだろう。だからこそ、人生に一本通る背骨は不確かな未来を生きる羅針盤となる。土方歳三役を務めた『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』、ノンストップドライブコメディ『免許返納⁉』(2026年6月19日公開予定)と振り幅の大きい役柄を立て続けに演じる舘ひろし(76)の太い背骨は、ファミリーヒストリーと深い関係があった。現状に安住することなく挑戦を続ける俳優の原点に迫る。(文中敬称略)

「働くべからず」が家訓だった

 舘が愛知県名古屋市で生まれたのは1950年3月31日のことである。

「保守的というか、カジュアルなところのまったくない家でしたね。家族で外食するというときも、祖父はジャケット着用。県庁の役人で橋をつくったりしていたんですが、近所の散歩もスリーピースを着て、帽子をかぶり、ステッキを手にしていくような人でした。祖母は僕が学校から帰ってくると琴をひいている姿が印象に残っています、祖母はやさしかった」

 祖父はステッキも何本も持っていたというから、おしゃれだったようだ。

「“英国かぶれ”でね。高校生の頃、家庭で飲むインスタントコーヒーがはやり出したんですが、うちは“牛乳紅茶”と呼んでいた、ミルクティーでした。夜のごはんのあとにお茶の時間があって、必ず飲むんです。あと、ちいさな洋間があって、そこは西洋館って呼んでました。西洋への想いがあったんでしょうね」

 舘家はもともと岐阜の安八郡におり、かなりの土地を持つ素封家だったという。何代か前に土地を売り、名古屋に出てきて、お金を銀行に預けたそうだ。

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