“資本家のためのウッドストック”
日本はゴールデンウィークのさなかの5月2日(土)。ネブラスカ州オマハで今年もバークシャー・ハサウェイの株主総会が開かれました。
私が前日にシカゴからオマハへ向かった飛行機の便は満席でした。隣に座っていたのは、ドイツのフランクフルトから来たというバリューファンドの運用者です。今回で10回目の参加だそうで、総会を前に非常に高揚した様子で話しかけられました。
オマハは人口約49万人のアメリカ中西部の都市です。普段は観光地というより、静かで落ち着いた地方都市という印象です。しかし毎年この時期だけは、街の表情が一変します。世界中からバークシャーの株主が集まり、ホテル代は跳ね上がり、街全体が一種の投資家フェスティバルのような空気に包まれます。
そのため、この総会はしばしば「資本家のためのウッドストック」と呼ばれてきました。単なる株主総会ではなく、株主にとっての年に一度の巡礼であり、お祭りでもあるのです。実際、会場近くではバークシャー傘下の企業がブースを出し、「シーズ・キャンディーズ」の限定チョコレートや、「フルーツ・オブ・ザ・ルーム」のTシャツ、「ネブラスカ・ファニチャー・マート」の家電などが販売されます。今年の展示ホールの売上は、たった1日で約150万ドルに達したと説明されました。1ドル=157円で換算すれば、約2億3500万円です。
また、夕刻に総会が終わったあとには、株主向けにバンドの生演奏付きのピクニック大会が開かれ、その翌日には「バークシャー5kmマラソン」まで開催されるなど、まさに株主のための一大イベントとなっています。
しかし、今年の総会は例年とは明らかに様子が違っていました。