特集|社会|経済・ビジネス

Vol. 4

佐藤二朗と橋本愛のハラスメント騒動に揺れる「フジテレビ」が打ち出した「組織再編」「人事」の戦略的打算

2026年7月10日


<span>佐藤二朗と橋本愛のハラスメント騒動に揺れる「フジテレビ」が打ち出した「組織再編」「人事」の戦略的打算</span>
現場の社員たちの反応は――。

4月期ドラマ「夫婦別姓刑事」でW主演をつとめた佐藤二朗さんと橋本愛さんを巡る“ハラスメント”騒動。双方の意見は大きく食い違い、フジテレビの管理体制にも批判の矛先が向きつつある。そうした状況のなか、7月1日に発表されたフジテレビの定期人事異動で、同ドラマのプロデュースを務めた社員が7月17日付で昇進することが分かった。「中居騒動」からの再建を目指すフジテレビの“新たな火種”に、現場の社員たちの反応は――。

ポストの統廃合による“付け替え”

 今回の定期人事異動について、フジテレビは以下のように説明している。

再生・改革に向け、コーポレート部門を強化した2025 年体制を基本的には継続しつつ、企画決定から制作、ディストリビューション、IP多角展開まで明確なルートでスピーディーに実現できるよう、組織・役職のスリム化も含めた組織の再編を行い、併せて部門間の連携、シナジー効果を図ります。


5月12 日に発出されたフジ・メディア・ホールディングス「グループビジョン2026-2030Ver.1.0」で掲げる中期目標達成に向け、グループの主たる事業会社であるフジテレビにおいても、コンテンツカンパニーへの転換を加速し、その基盤をより強固なものにするべく、組織再編を実施します。

 これは何を意味するのだろうか。あるフジテレビの現役社員は、こう解説する。

「“中居騒動”のあと、会社は社外取締役を中心に、それまでの組織運営の問題点の洗い出し作業を進めてきました。今回の定期人事異動は、かれこれ1年ほど続いたその洗い出し作業の集大成的な意味合いと、現場の社員は捉えています」(フジテレビ社員、以下同)

 フジテレビは先ほどの説明に加え、「組織再編の基本方針」を4つの要素にまとめている。再び引用すると、下記の通りだ。


1.組織階層のフラット化
「室・センター」を極力廃止し、組織階層をシンプル化することにより、権限と責任を明確化、意思決定のスピードを高めることで、挑戦しやすい環境を実現

2.組織人数の最適化
一人の部長がマネジメントする人数を、部署の実情に合わせて最適化し、社員一人ひとりに目が行き届く組織単位にすることにより、安心して全力で働ける環境を実現

3.「組織設置ガイドライン」の新設
上記1,2を実現するために、「組織設置ガイドライン」を新設、属人的な事情によらない、適切な組織運営を実現

4.「HRM」の導入
50 人以上の局には「HRM(=Human Resource Manager)」を設置し、心理的安全性の確保に加え、一人ひとりのキャリアを見据えた人財育成、開発を強化

「ひとことで言えば、以前は部署があまりにも多すぎた。数人の部署も珍しくなく、一方で数十人規模の大きな部署を一人の部長だけで管理するということもありました。会社全体として意思決定の迅速化をはかるため、大小の組織を平準化し、各部署の人数を整えたのです」

 これに伴い、「局次長」という役職が廃止され、代わりに「局長補佐」というポストが新設された。

「今回の定期人事異動で名前の挙がった人たちは、ポストの統廃合による“付け替え”のパターンが多かった。その意味で、一部を除いてはそこまで意外性のある人事ではありませんでした」

【佐藤二朗氏インタビュー掲載の週刊新潮はこちらから↓】

思わぬ形で注目を浴びた人事異動

 一方で、思わぬ形で注目を浴びた人事もあった。佐藤二朗さんと橋本愛さんがW主演をつとめた、「夫婦別姓刑事」でプロデュースを務めた社員(以下、A氏)の昇進が発表されたのである。

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