経済・ビジネス

高市政権の中核政策・サプライチェーン強靭化はこの円安下で実現可能か 歴史に学ぶ「経済安全保障と為替」

2026年7月3日


<span>高市政権の中核政策・サプライチェーン強靭化はこの円安下で実現可能か 歴史に学ぶ「経済安全保障と為替」</span>
高市政権が掲げる「経済安全保障」においても為替は重要な観点だ(写真は6月22日の参院予算委員会に出席した高市首相)

高市政権が政策の中核に据える経済安全保障。先のG7サミットをはじめ、半導体や重要鉱物などのサプライチェーンの強靭化に努める外交姿勢が度々報じられている。そこでネックになるのが、この円安だろう。円の価値を回復させ、通貨としての交換可能性にも目配せすることが経済安全保障と密接不可分であることは、20世紀の歴史から学べる教訓だ。

サプライチェーン強靭化に走る高市首相

 経済安全保障の観点から、半導体や重要鉱物、エネルギー資源などの安定的な供給を確保するための「供給網(サプライチェーン)の強靭化」が声高に叫ばれる。その一方で、円高を目指すべきだという主張があまり見受けられないのはなぜだろうか。日本のように資源に乏しい国が購買力の高い通貨を持つことは、いわゆる“買い負け”を防ぐ観点から極めて合理的である。にもかかわらず、そうした声はあまり聞かれない。

 例えば高市早苗首相は、6月中旬にフランスのエビアンで開催されたG7サミット(先進7カ国首脳会議)に出席し、各国首脳との間でレアアース等重要鉱物の調達の強靭化などで合意に達した。総額370兆円ともされた成長17分野の戦略投資もまた、経済安全保障の重要性を強調する。一方、経済安全保障を重視する高市首相の働きかけを評価する論者ほど、円高を目指すべきという意見を退けたがるように見受けられる。いったいなぜだろうか。

 そもそも供給網の混乱で、原材料や部品など、日本で「モノを作るためのモノ」が入手できなくなっているにもかかわらず、円高で日本製品の価格競争力が低下することを危惧するのは、本末転倒ではないだろうか。円高も円安も、局面に応じて利点と欠点は変わるものだが、少なくとも供給網が混乱している現状においては、円高の方が利点は大きいはずだ。

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