経済・ビジネス

超金融緩和で支えたマネー市場に「アメリカ景気回復」という皮肉なリスク

2021年3月30日


<span>超金融緩和で支えたマネー市場に「アメリカ景気回復」という皮肉なリスク</span>

3月29日、野村ホールディングスは米子会社と顧客の取引で約2200億円の損害が生じる可能性を発表した。日米欧の国際金融のプロたちが総掛かりでコロナ禍対応の超積極財政と超金融緩和のセットで経済を支える中、株式・債券市場の水面下では米中対立、米景気回復がもたらす金利上昇、そしてサウジアラビアによる原油市場の価格操作といった火種が燻り続けている。

 ブロック取引(証券会社との間の大量取引)による嵐のような売りが、3月26日の米国株市場を揺さぶった。引き金はゴールドマン・サックスによる大口売り、モルガン・スタンレーなどが後を追った。大手投資会社のアルケゴス・キャピタル・マネジメントが先週、保有株の下落で打撃を被り、ゴールドマンを通じて105億ドル(約1兆1500億円)もの株式を投げ売りしたという。

 そんななか週明けの3月29日、野村ホールディングスが米国の顧客との取引で巨額損失が生じる可能性を発表した。3月26日の市場混乱が引き金で、野村からその顧客に対する請求額は26日時点の市場価格ベースで約20億ドル(約2200億円)にのぼる。

 野村はヘッジファンドに対して金融サービスを提供するプライムブローカレッジと呼ばれる業務のアクセルを踏んでいた。アルケゴスに対しても融資などの形で関与していただけに、巨額損失を出したとしても不思議ない。それにしてもアルケゴスの保有していた百度(バイドウ)など中国銘柄に対する売り背景には、米中対立によりこれら中国企業が米証券取引所で上場停止となる可能性が指摘されている。……

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