山口県角島のチーちゃんから今年も塩ウニの瓶詰めが三本届いた。イカ入りとサザエ入りとプレーンの三本。チーちゃん自身が作ったものらしい。塩漬けとはいえ塩の加減が絶妙で、生の風味とかたちが残っているし、イカもサザエもぷーりぷりん。「イカ入りとサザエ入りはなるべく早めに賞味してくださいね」というコメントつきだ。まるで郷里のお母さんから好物の手料理を送ってもらったような気分である。
塩ウニが届く少し前には、鮮度のいいイカがたっぷり送られてきた。冷凍状態で届いたのだが、「解凍して刺身で食べてくださいね」とさりげない一言が添えられていて、そのお気遣いにまた心が和む。
この暑い季節にチーちゃんから生のイカと塩ウニが届くようになって何年経っただろう。初めてチーちゃんに角島で会ったのは八年前の夏である。その翌年あたりから、毎年この時期になると「そろそろイカを送ります。ウニはもう少し待ってね」という予告メールが送られてくる。なんと親切なお友達でしょう。どれほど深い仲なのですか。そう思うでしょ? でも実は、一度しか会ったことがないのである。
コトの発端は、NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」という番組の取材で角島を訪れたときに遡る。本来の目的地は山口県下関市豊北町に属する「阿川」という地区(昔は村だった)であった。「阿川」が我が阿川家とどういう関係にあるのか知らないが、同じ名前の土地に興味を引かれる。面白そうだから行ってみようということになった。……