社会

「正確な情報」が「無謀な開戦」につながったという痛恨の逆説――日米開戦80年目の真実

2021年12月6日


<span>「正確な情報」が「無謀な開戦」につながったという痛恨の逆説――日米開戦80年目の真実</span>

 近年、ファクトやエビデンスの重要性が盛んに指摘されています。その裏には、「正しい情報」に基づいて考えれば「正しい判断」を行うことができる、という予断が見え隠れしているように思えます。

 しかし、「正しい情報」が必ずしも「正しい判断」に結びつくとは限りません。経済学者の牧野邦昭氏が著した『経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』では、「正確な情報」こそが、かえって政策決定者たちを「無謀な開戦」へと駆り立ててしまったという逆説を、鮮やかに読み解いています。

覆された通説

 

 「非合理的」「情報軽視」といったイメージのある日本陸軍ですが、実際には開戦前に多くの一流の経済学者を「秋丸機関」に動員して、日本のほかアメリカ、イギリス、ドイツなどの主要国の経済抗戦力を詳細に調査していました。

 しかし、そこまでして陸軍が正確な情報を得ていたにもかかわらず、日本は80年前の12月に米英に宣戦を布告し、太平洋戦争に突入してしまいます。それはなぜだったのでしょうか。……

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