経済・ビジネス

半導体は“不況”が懸念される局面に ユーロ急落を演出した「リセッション・トレード」の到来

2022年7月9日


<span>半導体は“不況”が懸念される局面に ユーロ急落を演出した「リセッション・トレード」の到来</span>

7月8日、安倍元首相銃撃の知らせを受けた投資家たちは反射的に日本株を売った。岸田政権下でも経済政策に影響力を持った安倍氏が倒れれば、金融緩和の行方にも影響が出ると考えたからだ。アメリカでは金融引き締めが行われる足元から、経済は定義上の「リセッション(景気後退)」に入っている。景気を反映する銅価格の下落を追って半導体不況の可能性が指摘され、この流れの中で「ユーロ売り、原油売り」という国際金融市場の異変も発生している。日欧の金融政策決定会合が重なる7月21日に向けて、マーケットはさらに波乱含みだ。

   そのニュースに日本の金融市場参加者も凍り付いた。参院選の最終盤を迎えた7月8日、安倍晋三元首相が遊説先の奈良市で狙撃され、命を亡くした。狙撃の報が伝わった同日正午過ぎ、株式市場は昼休みを終えたばかりだった。午前の取引で2万7000円近くまで戻していた日経平均株価は、午後の取引でいっぺんに勢いを失った。狙撃のニュースがショッキングだったばかりでない。

 市場参加者が思いを巡らしたのは、アベノミクスの大黒柱である大規模な金融緩和の行方だった。岸田文雄政権になっても、安倍元首相は経済政策で大きな存在感を発揮していた。安倍元首相が銃弾に倒れた結果として、政策の力点が変わるかもしれない。端的にいえば、岸田政策が路線を修正し、金融緩和の微調整に動く可能性が出てきた。投資家たちはそうみて、条件反射的に日本株を売ったのである。

 もちろん、日本株は日本だけの要因で動くのではない。世界全体でいまマーケットにきな臭い空気が漂っている。

 米独立記念日の翌日の7月5日、欧米市場を売りの火砕流が襲った。大量の円売りによる円急落だろうか。違う。急落したのは欧州の単一通貨ユーロである。この日、ユーロの対ドル相場は2002年12月以来、20年ぶりの安値をつけた。1ユーロ=1.02ドルまで下落したユーロは、1ユーロが1ドルとなる「パリティ(等価)」が指呼の間となった。……

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