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Vol. 5

“直弟子”が語る 恩師・高坂正堯に学んだ「楽観主義」から国際社会を見る

2026年5月24日


<span>“直弟子”が語る 恩師・高坂正堯に学んだ「楽観主義」から国際社会を見る</span>
京都大学大学院法学研究科の中西寛教授

 高度経済成長期の只中、1963年に『現実主義者の平和論』を「中央公論」誌に発表し、28歳にして鮮烈な論壇デビューを果たした国際政治学者の高坂正堯氏。『国際政治』(中公新書)や『文明が衰亡するとき』(新潮選書)をはじめ、政治の枠に収まらないその論考の数々は没後30年を経た今でも幅広く読み継がれている。

 京都大学大学院法学研究科の中西寛教授は、学生時代から高坂氏の薫陶を受けた一人だ。歴史・文学・文化に通じた高坂氏は、時に文明視点に立って普遍的な人間の在り方から国際政治を読み解いていく。混迷極める現在の国際情勢を見通すうえで今に活きる高坂作品は何か。高坂氏の知られざる横顔からその作品の魅力まで、“直弟子”の中西氏に聞いた。

恩師・高坂正堯氏との出会い

 高坂先生との出会いは、1982年のこと。私が京都大学の二回生の頃でした。大学入学時に経済学部に入った私でしたが、法学部に転部し、国際政治を学びたいと考えて高坂先生の授業を受けることになったのです。1982年に始まった中曽根政権が「国際国家・日本」を掲げた時代でもあり、国際社会への興味があったのも理由のひとつでした。

 授業での高坂先生は当時では珍しくレジュメまで用意するといった真面目で丁寧な授業をされていました。そうでありながらいわゆる雑談や脱線も多かったのですが、これが他の政治学の授業とは違い、文学や文化、人間心理にまで及ぶ幅広いもので、これも高坂先生の授業の大きな魅力でした。国際社会を読み解くうえで、人間を見る・知ることそのものに重きを置いていたのです。

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