今年は太平洋戦争集結から80年の節目の年。そして昭和が続いていれば100年で、「戦後80年、昭和100年」という年でした。この言葉が新語・流行語大賞トップ10に選ばれ、受賞者となった保阪正康さんにお話を聞きました。
今年に入って講演でこのフレーズを使うようになって人々の反応が変わった、と語る保阪さんは、歴史解釈を「同時代的解釈」から「史実に基づいた歴史的解釈」へと移行させる時が来たと指摘します。また、「戦後」という言葉は世代のエゴイズムと思考の枠を狭める2つの大きな罪を背負っているとして、その使用をやめるべきだと語っています。
さらに、昭和10年代の軍事指導者たちが陥った「大きな錯誤」 を、乃木希典が説いた「武士道」と対比させながら批判。近代日本が経験した「戦争ばかりの50年間」は人命を軽視し、だいぶ遅れて西洋諸国の植民地支配の真似をした「ちょっと恥ずかしい戦争」であったとして、徹底的な見直しを提言しています。
アメリカン・デモクラシーではない、自立した民主主義を根づかせ、将来の不確実性に備えるためには「最低限の軍備」は必要であると論じ、乃木や山下奉文ら軍人たちが後世に残した言葉からも学び、いかに過去の失敗を克服すべきなのでしょうか。波乱の近現代史を振り返りながら、日本の平和と軍事、そして未来のあり方を問います。
👤ゲストスピーカー 保阪正康(ノンフィクション作家)
1939(昭和14)年北海道生まれ。同志社大学文学部卒。『東條英機と天皇の時代』『昭和天皇』『瀬島龍三』『後藤田正晴』『ナショナリズムの昭和』(和辻哲郎文化賞)、「昭和史の大河を往く」シリーズなど著書多数。20年前に刊行した『あの戦争は何だったのか』が30万部を超えるロングセラーに。
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